先人の知恵にはいつも驚きます。
- マメ知識
昔、窓についての本を読んだことがあり、思い出しながら綴ります。
その本は西洋(ヨーロッパ)と東洋(日本)の違いについて書かれており、
興味深く読ませてもらいました。
西洋の窓は縦長の上げ下げ窓が主流です。
この形状には建築的は背景がありまして…。
地震の少ないヨーロッパの家や城は石積みで作られているため、
必然的に横長に開口部を空ける事ができませんでした。
横長にしてしまうと開口部の上部の石積み部分が下に落ちてしまうからです。
それを防ぐために上部をアーチ状にして開口部を広げていきました。
その名残で窓は縦長の窓が主流になりました。
他方、東洋では木造建築が発展し柱と梁で構築されるため、
比較的、大開口の窓を作ることができます。
横長の中連窓や連続する掃き出し窓が主流です。
また、日本家屋(古民家)には、
ペアガラスの考え方が備わっているという識者もいます。
ペアガラスは、ガラス-空気層-ガラスとなりますが、
日本家屋では、窓ガラス-広縁-内障子となります。
かつて囲炉裏で炊事をすることを考えると、
湿気を逃がして、暖かさを逃がさない内障子の和紙は非常に好都合でした。
先人の知恵にはいつも驚きます。
建築様式はその土地柄で大きく変化するのは当然で、
それぞれに個性を発揮しておりました。
近年になりコンクリートの登場で西洋も東洋も無くなり、
窓の様式も変化してまいりました。
長くなりましたのでこの辺で…。
深谷
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